「もう一つの教育の場〜寮生活の目的」「今、社会で求められている人とはどんな人でしょうか。「自分」をしっかりと持ちながら、他を思いやる。協調性を持ちながらも自らが主体的に考え、実践していける人材ではないでしょうか。松風塾高校では、寮はただの寄宿舎ではありません。心を育み、人間力を高めるための「もう一つの教育の場」です。
松風塾高校の寮には、寮母さんがおりません。そのため、洗濯やアイロンがけ、掃除も全て自分で行います。中学校までは親御さんが面倒を見てくれていたと思いますが、自分のことを自分ですることで自立心と生活力、そして家族への感謝の気持ちを育みます。全員はじめての寮生活ですから、最初はもちろん何もわかりません。しかし、入寮後に同じ経験をしてきた先輩方が1人1人にしっかりついて、全て指導してくれます。また、学校の教員が男子寮、女子寮の寮監も兼務しています。学校だけではなく、生活の面でもみなさんをサポートします。
全国各地、さまざまな環境から集まった生徒が、一つ屋根の下で暮らします。
部屋は、3学年混合の2~3人部屋です。生活に必要なものの多くが公共スペースに置かれ、共同で使っています。自由時間は、大型テレビの前に集まり、みんなで見ます。また、基本的な生活習慣も、先生ではなく「先輩」が教えてくれます。まるで、大家族の兄弟ように生活しています。
スマートフォンやテレビゲームなど、現代的なメールやSNSなどに頼らない、Face To Faceの会話が自然と交わされています。社会生活に必要なコミュニケーション能力を、寮生活を通して学んでいきます。
また、先輩後輩の関係性、同輩の仲間との人間関係を通じて、「心遣い」を学び、今の世の中で欠如しがちな「相手の気持ちを察する」、非言語的なコミュニケーションも身につけていきます。
寮生活を通じて先輩から後輩へと受け継がれる良習があります。例えば、中学時代は意識しなかったスリッパをそろえる、洗顔や歯磨きなど日常生活の中で、使用後はシンクをキレイに拭くなど、次に使う人を思いやる気持ちが芽生えます。仲間や先生への挨拶、毎日の何気ない小さな行動を繰り返し行い、習慣化します。夜には「点呼」と称して、短時間の「訓育」が行われ、人間として何が大切か、人生観や世界観を学びます。それら一つ一つが心の栄養になっていきます。
いつの時代にも変わらず、社会人にとって必要とされるのが礼節ではないでしょうか。松風塾では「礼節日本一」という大きな目標を掲げています。気持ちのよい挨拶、大きな返事、正しい姿勢。これらが身に付くように、日々の生活で訓練、実践しています。本校に入学してまずはじめに行われるのが、「集団訓練」です。ここでは、基本的な挨拶、返事や姿勢、動作が教えられます。ご自分のお子さんが大きな声で挨拶をする姿を初めて見て、感動される保護者の方も少なくありません。本校で、最も力を注いでいる教育のひとつです。
マンドリンという楽器を知っていますか?ほとんどの生徒が初めて目にし、手にする楽器でしょう。松風塾高校では、マンドリン音楽が必修です。1年生の間は、授業で基礎練習を行い、本格的な合奏練習は2年生になってから行われます。練習に練習を重ねて技術が向上し、未経験からのスタートでも、弾けるようになり、オーケストラの一員として合奏をする経験ができます。それは自分自身に起きた変化を体感する瞬間でもあります。2年生の9月から約1ヶ月間は、特別養護老人福祉施設等へ訪問演奏に出かけます。何よりも、皆と「調和」してひとつの音楽を完成させることを通して、現代の若者に失われかけている協調性の涵養になることが大きな目的でもあります。
松風塾高校には「用務員のおじさん」はいません。日々の校内清掃はもちろんのこと、冬季の雪囲い設置といった冬支度も、寮内の細かな環境整備作業も、全て生徒が中心となって行ないます。また、春には田植えを、秋には稲刈り、リンゴ収穫実習をします。11月には「収穫感謝の日」という行事を実施し、自分たちが育てたお米をいただきます。農家の方から直接指導を受け、実際に体を動かします。やがては社会の一員として世のため人のために活躍する事を願い、汗の尊さを知り、働くことの大切さや天地の恵みに感謝できる心を養うために勤労体験学習を重視しています。
松風塾高校は「特別進学コース」「総合進学コース」の2コースに分かれて授業をしています。各コースとも3〜8人程度の少人数です。選択科目によっては、マンツーマン指導が受けられるクラスもあります。少人数授業の良いところは、生徒と先生の距離が物理的にも心理的にも近いことです。
先生は生徒1人1人に目が届き、個々の力を把握できるため、レベルにあった授業ができることはもちろん、つまずきにもすぐに対応できます。また、学習面だけではなく、生徒の体調や精神面の変化などにも気付きやすいです。生徒も集中して授業を受けることができ、わからないところがあっても、すぐに先生に質問できる環境が整っています。今までは授業の内容でわからないところがあっても、授業中に先生に質問するのはかなりの勇気が必要だったと思いますが、松風塾では授業中に質問が出るのは普通の事です。どこのクラスでも「先生!」と質問する声が聞こえてきます。数十人の一斉授業とは違い、よくわからないまま置いていかれることはありません。
主に難関大学への進学を目指す生徒のコースです。授業の他にも放課後や長期休業中に特別講習を行ない、効率よく学力を伸ばします。3年次になると志望校と適性によって、より充実した授業を受けられるようなカリキュラムになっています。部活動については、学業を優先させるために限られた部活動だけの加入となります。
大学進学から就職希望まで、生徒の幅広い進路に対応できるようにカリキュラムを設定してあるコースです。勉強もしっかりするが、部活動も頑張り充実した高校生活にしたいと考えている生徒におすすめのコースです。
みなさんは将来、どんな大人になりたい、どんな仕事をしたいと考えていますか。自分の夢を実現するためには、考える力や多くの経験が必要です。松風塾では「社会のために尽くせる人」「高い教養を身につけてどんな仕事も一生懸命できる人」を目指して、それぞれの進路と学力に合わせ、きめの細かい学習に取り組んでいます。
例えば、特別進学コースは1年次から放課後の特別講習があり、早い段階から大学受験を意識して基礎力を付けていきます。2年次からは全コースにおいて、それぞれの進路に応じた必要な科目の講習を受講できます。放課後や夜間だけではなく、夏期休業・冬期休業時にも特別講習を開講していますので、3年生のほとんどは学校に残って、進路希望達成に向けて学習します。特別講習は、すべて無償で行っています。
寮では夜の日課に自習時間がありますので、今まで自宅学習の習慣がなかった人でも、自然と学習する習慣が身に付いていきます。また、先生のほとんどは同じ寮か学校の近くに住んでおり、時には夜に寮まで来て勉強を教えてくれます。授業に遅れぎみの生徒には、こまめに声をかけて必要に応じて放課後や夜に補講を行います。コース別の授業により、学力が同じレベルの仲間が集まるため、お互いに刺激を受け、ライバル同士競い合うことで『学びたい欲求』が高まることも学習習慣の確立に繋がっています。テスト前になると、いつも以上に質問に来る生徒で職員室が賑わいます。寮での夜の時間も、あちこちの部屋から先生に質問する声が聞こえてきます。少人数授業で集中して授業に参加し、生徒と先生の距離が近いからこそ、「わからないところを、わかるまで勉強しよう」とする気持ちが養われます。みなさんが思い描く「未来の自分」のために、私たちは全力でサポートします。
社会に貢献する活動を通して、私たちは教室では決して学ぶことができない「智恵」を得ることができます。
松風塾高校では、下記のように様々な社会体験教育をしています。
ゴールデンエイジと呼ばれる多感な時期に、これら多くの社会貢献を主とする教育体験をすることは、人生観や世界観を構築し、その後の人生にも少なからず影響をもたらします。
そして勉強や部活だけでは発見できない「生きていく上での大切なもの」に気づく良い機会となっています。